施工品質向上活動
日本シーリング工事業協同組合連合会は、施工品質の向上を図るため【シーリング防水施工技能士】と【シーリング管理士】を併せてご活用いただく活動を展開しています。
シーリング工事に係る資格には、国家認定の【シーリング防水施工技能士(1級・2級)】と業界独自の資格【シーリング管理士】の2つがあります。
シーリング防水施工技能士とは
シーリング材を適切に施工する技能を有する人材をいいます。労働省(現・厚生労働省)では、シーリング防水施工の施工技術の確保・向上を目的として、昭和53年(1978年)に第一回技能検定試験を実施、国家認定の「シーリング防水施工技能士」が誕生しました。
2023年12月時点で、1級 15,108名、2級 9,382名、合計24,490名の方々が資格を取得しています。
昭和56年(1981年)、建設省(現・国土交通省)は、施工品質の向上と、有資格者の有効活用のため「官庁営繕工事(3,000m2以上)現場に、1級技能士の常駐」を義務付けました。
シーリング管理士とは
「シーリング防水施工技能士」が施工技術に関する国家資格であるのに対し、「シーリング管理士」は日本シーリング材工業会と当連合会が認可する資格です。
シーリング防水工事の全工程及び建築の基礎知識などをカリキュラムとする講習を経て、目地設計並びにシーリング材の性能・施工に関する知識を活用することで、シーリング工事の施工管理及び技術指導を行える工事業者として認められた者に与えられる資格です。
同制度は、昭和46年(1971年)に日本シーリング材工業会が発足させ、その後当連合会も協力して有資格者の増強に努めてきました。現在の有資格者1,905名、工事業者以外の「シーリング技術管理士」を含め4,738名の方々が資格を取得しています。
当連合会では、平成17年(2006年)まで資格対象者を組合員会社所属者に限定してきましたが、業界全体の「施工品質及び地位の向上」を図る目的で、「シーリング管理士資格」をシーリング施工業者全般に開放しました。
シーリング管理士活用のメリット
シーリング工事の対象部位は、非常に厳しい環境に曝され、被着体も多岐に亘っています。また、施工面では複雑な納まりでの施工や工期上のしわ寄せ等を受けることが多く、実施工のみに携わる「シーリング防水施工技能士」の技術力だけでは要求品質に応じた一定レベル以上の工事を提供していくのは困難なものがあります。
高品質のシーリング施工を行うためには、納まりの検討、材料の選択等の事前検討、施工要領書の作成、工事関係者との打合せ、調整が重要です。これらを担当する「シーリング管理士」と優秀な施工技術を有する「シーリング防水施工技能士」を併用してご活用いただくことにより、顧客の要求品質にお応えできる高品質のシーリング施工を提供することが出来るのです。
国土交通省監修の「建築工事監理指針」、社団法人 日本建築学会編集の「建築工事標準仕様書・同解説 JASS 8 防水工事-2014」及び「外壁接合の水密設計及び施工に関する技術指針・同解説」、社団法人 建築業協会作成「事例に学ぶシーリング工事」等には、「シーリング管理士」の効用が認められ、活用が推奨されています。
ぜひ、「シーリング管理士」と「シーリング防水施工技能士」を同時にご活用くださることをお願いします。
地位向上
平成2年(1990年)日本シーリング工事業協同組合連合会の法人組織としての発足を契機として、当連合会では国会、建設省(現・国土交通省)、労働省(現・厚生労働省)など主だった官公庁に「シーリング防水施工技能士」及び「シーリング管理士」の活用について陳情、その後、翌年2月に開かれた衆議院建設委員会で「シーリング防水施工技能士」の活用について論議されました。
また、従来、建設省監修の「建築工事共通仕様書」「建築工事監理指針」等で「雑工事」に分類されていたシーリング工事が「防水工事・シーリング」として職種認定を受け、「官庁営繕工事(3,000平方メートル以上)現場に1級シーリング防水施工技能士の常駐通達」、「建築工事共通仕様書」及び「建築工事監理指針」への「シーリング管理士」の活用について記載されるなど、シーリング工事業界の地位の向上に実績をあげてまいりました。